7月11日。青

2002年7月11日
7月11日。サヨナラの日。

前日の台風が嘘みたいに、晴天。
男はなぜかその晴天を、少し恨む。

「晴れか・・・」

7時に起床。空港までは間に合わない。
仕事も休みは取れていない。しょうがないと諦めた気持ちを「装って」みる。そう装うのだ。

悲しげに空を見る。空が青ければ青いほど空しい気がする。

何に悲しいのか。何もできない自分にか?それとも、「もう一人の男」がこの国を離れる事にか?

空港にいる、もう一人の男。

彼は、別の男が空港に行けない、いや、見送りが出来ない事を悔やんでいるとは知らない。

空港にいる男がどんな気持ちかは知らない。

しかし、男は言いたかった、「アリガトウ」と。

11時15分。パリへ飛び立つ機が、離陸準備をしている事だろう。暑い今日は、やはり蜃気楼が見えるのだろうか。

飛び立つ男はその蜃気楼に何を見たのだろうか?

今日の空は、アナタにとってどんな青でしたか?


11時15分。仕事場のデスクでネットを見る。
浮かない顔。浮かない気持ち。

「彼は無事飛び立ったのだろうか・・・」

空の見えない窓から、空を見ようとはしなかった。
正午、男はニュースを見る。しかし空港の男のことは、特に取り上げていなかった。

今日の青。アナタの作った青。きっと忘れないだろう。

私たちの青に、アナタの国旗の、アナタのスピリッツは刻まれたのでしょうか?

そして言いたい、









「ありがとう、Philippe Troussier 」









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