匿名性と多くの日本人。
2002年7月23日「2ちゃんねる」は世界でも類を見ないほど巨大掲示板群集だ。
たまたま国際結婚をしたものだから、世界中に別の国の親戚ができたが、10代の従兄弟はそれが何かも知らず、「モナーのフラッシュムービー」を見て「かわいい」と言ったり、いつの間にか友人に教えたりしているくらいだ。
日本ではインターネット視聴率が4位だとか。それほど多くの日本人が訪れていることだ。
よく聞く「2ちゃんねる」の利点は「匿名性」と「本音が聞ける」ことだと思う。
もちろん「ひやかし」や「それぐらいのレベル」の話であることも多々あるが、それも「匿名性」ならではの、書き込み者の「本音(別の言い方をすれば、低レベル・低い質とでもしよう)」なのだ。
逆に自分が憧れるクリエーター達のサイトで、極々稀に「2ちゃんは匿名だが、匿名では発言してる意味がないのでは?」と言っている。
彼らも、ネットでは見ず知らずの人と出会えて、年齢や組織にとらわれずコミュニケーションできる利のあるツールだということも認識している。そしてその上で、彼らはサイト上でも本名でコミュニケーションを取るのだ。
彼らの考えはいたってシンプルで「自分は自分であってネットなんて電話みたいな道具の一つにすぎない」というものだ。
彼らの考えは「それはそれで正解」だと思う。ただ広告やCMを作り、マーケティングを考察する立場にありながら、「2ちゃんねる」の発言に対し「意味がない」と軽視するのは安易だと思う。現実に視聴率4位という数字も、1日のヒット数も馬鹿にならない。
そしてクリエーターの彼らは決定的に気づいていない点がある。「匿名性」「本音」「絶対的な高視聴率」が意味するものだ。
彼らは日本人の特質を根本的にわかっていないと思う。結論としてこれぐらいだ。
「多くの日本人は陰口が好きだ。面と向かって意見が言えない。自分がそう思っているとは思われたくない。責任なんかとりたくない。」と自分を安全かつ好都合にもって行く習性がある民族なのだ。自分一個人の価値観からすれば、なんとも陳腐な習性を持った民族だと感じる。
確かに「匿名でなければ、権力につぶされる」という場面もあるが、日常ではほぼなく、2ちゃんねるでもそんな話題は多々ない。
日本人の多くは、クリエーターの彼らみたく「自分は自分」などという強く格好良い自信などないのだ。彼らはそれを理解していない。
「2ちゃんねる」の利用者が上がれば上がるほど、「自分に自信がない人」が増える証拠であり、「ネット外の社会(リアルワールド)」と「ネット」間の表裏の溝が大きくなることを示唆しているようだ。一個人としては悲しい反比例の図だ。せっかく「社会」があるのに「もうひとつの社会」を作っている。個人の意識の問題もあるだろうし、「そうせざるおえない社会」に問題もある。日本の全体がそういうベクトルを向いている。
古き良きという言葉を使えば日本には「わびさび」があった。相手を思いやって口を慎むことができた。しかし、その習慣がどうやら本来とは違う方向へ動いているようだ。
「2ちゃんねる」を無くせとは思わない。それが良い方向で使われるなら歓迎だ。ただ、今の時点では、こういう考えも一つあるのだと挙げておきたい。
samaltoria@hotmail.com
たまたま国際結婚をしたものだから、世界中に別の国の親戚ができたが、10代の従兄弟はそれが何かも知らず、「モナーのフラッシュムービー」を見て「かわいい」と言ったり、いつの間にか友人に教えたりしているくらいだ。
日本ではインターネット視聴率が4位だとか。それほど多くの日本人が訪れていることだ。
よく聞く「2ちゃんねる」の利点は「匿名性」と「本音が聞ける」ことだと思う。
もちろん「ひやかし」や「それぐらいのレベル」の話であることも多々あるが、それも「匿名性」ならではの、書き込み者の「本音(別の言い方をすれば、低レベル・低い質とでもしよう)」なのだ。
逆に自分が憧れるクリエーター達のサイトで、極々稀に「2ちゃんは匿名だが、匿名では発言してる意味がないのでは?」と言っている。
彼らも、ネットでは見ず知らずの人と出会えて、年齢や組織にとらわれずコミュニケーションできる利のあるツールだということも認識している。そしてその上で、彼らはサイト上でも本名でコミュニケーションを取るのだ。
彼らの考えはいたってシンプルで「自分は自分であってネットなんて電話みたいな道具の一つにすぎない」というものだ。
彼らの考えは「それはそれで正解」だと思う。ただ広告やCMを作り、マーケティングを考察する立場にありながら、「2ちゃんねる」の発言に対し「意味がない」と軽視するのは安易だと思う。現実に視聴率4位という数字も、1日のヒット数も馬鹿にならない。
そしてクリエーターの彼らは決定的に気づいていない点がある。「匿名性」「本音」「絶対的な高視聴率」が意味するものだ。
彼らは日本人の特質を根本的にわかっていないと思う。結論としてこれぐらいだ。
「多くの日本人は陰口が好きだ。面と向かって意見が言えない。自分がそう思っているとは思われたくない。責任なんかとりたくない。」と自分を安全かつ好都合にもって行く習性がある民族なのだ。自分一個人の価値観からすれば、なんとも陳腐な習性を持った民族だと感じる。
確かに「匿名でなければ、権力につぶされる」という場面もあるが、日常ではほぼなく、2ちゃんねるでもそんな話題は多々ない。
日本人の多くは、クリエーターの彼らみたく「自分は自分」などという強く格好良い自信などないのだ。彼らはそれを理解していない。
「2ちゃんねる」の利用者が上がれば上がるほど、「自分に自信がない人」が増える証拠であり、「ネット外の社会(リアルワールド)」と「ネット」間の表裏の溝が大きくなることを示唆しているようだ。一個人としては悲しい反比例の図だ。せっかく「社会」があるのに「もうひとつの社会」を作っている。個人の意識の問題もあるだろうし、「そうせざるおえない社会」に問題もある。日本の全体がそういうベクトルを向いている。
古き良きという言葉を使えば日本には「わびさび」があった。相手を思いやって口を慎むことができた。しかし、その習慣がどうやら本来とは違う方向へ動いているようだ。
「2ちゃんねる」を無くせとは思わない。それが良い方向で使われるなら歓迎だ。ただ、今の時点では、こういう考えも一つあるのだと挙げておきたい。
samaltoria@hotmail.com
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